治験に伴う研究協力者及びそのご家族の方へ

研究協力者及びそのご家族の方へ

  1. 【研究課題名】 陳旧性心筋梗塞領域における瞬時血流予備量比の有効性評価
  2. 【はじめに】
    冠動脈狭窄に対する経皮的冠動脈形成術の適応においては、解剖学的評価(狭窄度)のみでなく機能的評価(心筋虚血:心筋に十分な血流が流れているかどうか、の評価)が重要です。カテーテル検査室における機能的評価法として冠血流予備量比 (Fractional Flow Reserve: FFR) の測定があり、その計測値は予後と相関することが大規模臨床試験において示されています。冠血流予備量比測定における問題点として、測定において血管拡張剤(冠動脈を広げる薬剤)が必要であるため、血管拡張剤が使用できない症例や投与による手技時間の延長、血管拡張剤の効果不十分例では計測値の信頼性低下等があげられます。
    近年、血管拡張剤が不要な瞬時血流予備量比(instantaneous wave-free ratio: iFR)が提案され、FFRとの有意な相関が示されております。この手法を用いることで、手技時間の短縮や血管拡張剤の適用禁忌症例にも冠動脈の機能的評価(心筋虚血の評価)が可能となります。
    陳旧性心筋梗塞領域を灌流する冠動脈の狭窄病変に対してFFRの有用性は報告されていますが、iFRの有効性は報告されていません。陳旧性心筋梗塞領域におけるiFR値をFFR値と統計学的手法を用いて比較検討することで有用性を証明することが本研究の目的です。
    本研究は三重大学病院、永井病院、松阪中央病院、尾鷲総合病院で行われます。 
    本研究は上記各病院の倫理審査委員会に申請し、許可を得ております。
    本研究に関する情報は三重大学大学院循環器内科研究室のホームページに掲載され、また下記連絡先に請求頂ければ可能な範囲で資料を提供します。
  3. 【対象】
    2014年5月1日から2016年7月1日の期間において三重大学医学部附属病院、永井病院、松阪中央病院、尾鷲総合病院で冠動脈造影検査とFFR・iFR測定を受けられた患者様が対象となります。約200名を対象としています。対象者となられましても直接の利益はございませんが、研究成果により将来の医療の進歩に貢献できる可能性があります。本研究は既存の情報を用いるものであり、対象者に新たな侵襲・介入は行いません。研究対象者になることで新たな不利益は生じません。本研究で使用するデータは管理者により厳重に管理されます。研究に対して問い合わせがある方は、下記の研究代表者までご連絡ください。
    研究代表者:三重大学医学部附属病院 循環器内科 栗田泰郎
    連絡先:津市江戸橋2-17、電話:059-231-5015、FAX:059-231-5201
  4. 【方法】
    電子カルテより併存疾患や薬物治療内容、血液検査、心臓超音波検査、冠動脈造影検査(FFR値やiFR値を含む)などのデータを取得して解析を行います。
  5. 【個人情報の管理について】
    本研究では個人情報の漏洩を防ぐために、患者番号などの個人を特定できる情報は全て削除し、匿名化した上でデータを扱うなどの厳重な対策を取っております。本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文など)の際に患者さまを特定できる情報は一切含まれません。
  6. 【研究期間】
    当該研究倫理審査委員会による承認日から2016年12月31日まで。
  7. 【医学上の貢献について】
    本研究により陳旧性心筋梗塞領域においてiFRの使用が可能となり、FFRにおける不利益が解消される可能性があります。
  8. 【研究資金】
    本研究は三重大学医学部 循環器・腎臓内科学の講座費を研究資金として行われます。利益相反について申告すべき事項はありません。
  9. 【研究機関】
    研究責任者:三重大学医学部附属病院 循環器内科 助教 栗田泰郎
    研究分担者:三重大学医学部 循環器・腎臓内科学 博士課程 福岡 秀介

    連絡先(事務局及び相談窓口):514-8507三重県津市江戸橋2-17、
    電話:059-231-5015、FAX:059-231-5201
  10. 【調査対象からの削除を希望される場合】
    本調査のデータ分析の対象から、ご自身のデータの削除を希望される方はすみやかに削除手続きをとりますので、お手数おかけ致しますが2016年12月31日までに上記連絡先までご連絡をお願い致します。